木島櫻谷 山水夢中@泉屋博古館
秋晴れの中、泉屋博古館の「山水夢中」を見に行きました。ここの美術館はアクセスがいいわけではないですが、何度か足を運んでしまう不思議な魅力があります。
展示は撮影禁止なので簡単に気になった作品の感想を。
『細雨・落葉』
色づく木々とそれを見上げる1匹の猿の絵。猿を置くことによって木々を揺らす風の様子がより伝わる気がする。
『寒月』
櫻谷の代表作。黒々とした竹林と雪の白さのコントラストが本当に綺麗。雪の中ぽつりと歩くきつねがなんとなく寂しげです。この作品は鞍馬の雪を見て着想を得たそうで、展示期間が16日までだったので早めに来ることに決めました。京都市美術館(京セラ美術館?)が所有してるようなので、今後も見られる機会はあるかもしれません。
『波上群禽図』
ウミスズメと呼ばれる鳥たちが波に揺られている絵。鳥の絵は作者の個性がよく表れるように思う。櫻谷の鳥はまるっこくてとてもかわいい。今回の展示にはないようだけれど、ひよこの写生のポストカードがあったから買ってしまいました。
『養拙』
櫻谷が漢詩に親しんだことは知らなかった。「養拙」(=生まれつき持っている素朴さを養い保つこと)を信条にしていたとのこと。
櫻谷の作品を初めて見たのは大学生の時、東京の泉屋博古館分館。どの作品だったか覚えてないけれど、やわらかな動物画に衝撃を受けた記憶がある。最近櫻谷の作品が注目されているようで展示がたくさんあり、非常に嬉しいです。
私はやはり櫻谷の動物画が好きで、山水画でもどこかに動物はいないかと探してしまいます。